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歪酷博客

立って歩け、前へ進め

私は祈っている。空を飛んでる雁は、私を連れて遠いところへ行くと。
何故極楽の世界にも、悲しみがある、悲しみがある?
それぞれの記憶の物語は、私しか分からない。
何時か、君について過去へ戻る。
そして、空の彼方で、全てを始めから繰り返す。


無名氏 @ 2005-09-08 22:36

天空伝
STAGE.1 プロローグ
1
STAGE.2 とんでもない奴らさ
1
STAGE.3 寮生失格!
1
STAGE.4 羽柴家の人々
1
STAGE.5 頭上の脅威
1  2
STAGE.6 妖邪・牙竜堕
1
STAGE.7 飛翔
1
STAGE.8 風のモノローグ
1  2

水滸伝
STAGE.1 諏訪へ
1  2
STAGE.2 氷の魔将
1  2  3  4
STAGE.3 伸の『
1
STAGE.4 御神渡
1  2
STAGE.5 エピロ-グ
1


STAGE.1 <プロローグ>豪我紗
1  2
STAGE.2 迷路
1  2  3
STAGE.3 月光夜
1  2  3
STAGE.4 月黄泉の珠
1
STAGE.5 大地の叫び
1  2
STAGE.6 <エピローグ>波光
1

光輪伝
STAGE.1 冬忍花
1  2
STAGE.2 木舞
1
STAGE.3 彷徨
1
STAGE.4 光抱く友よ
1
STAGE.5 FUGA
1


 
無名氏 @ 2005-09-08 21:21

俺は初めて、自らの力で空を飛んだ。どこまでも続く地平線、そして空。地上の風景はまるで箱庭のようだ。地上で戦う仲間の姿が、空港が、すべてのものが手に取るように見える。それらは、空の大きさと比べたらなんと小さいことか。俺たちの暮らしている社会がなんと小さいことか。あの小さな世界の中で、泣いたり笑ったり、喧嘩をしたりいがみ合ったり、競い合ったり。それで今はすべて、眼下の小さな世界のことなのだ。俺はやらねばならないことは、この眼下に生きるものたちを、守ることなのか。
そうはさせん。妖邪界広しといえども、空を操る技を持つのは、このガリュウダだけ。阿羅醐さま、しかと御覧あがれ。
まずい。
この空を、妖邪のものにしてたまるか。真空波。
わ、わしの、わしの力は。
空の戦士天空の前には、貴様ごときの力には何もできんと知れ。
逃げるか。
やめとけ、秀。奴にはもう何の力も残ってはいない。
さあ、もう一度加勢よ。力を貸したまえ。
キャプテン、墜落します。
機体が、機体が上だぞ。機体上昇、一気に一万メートル。
契機、正常に戻っています。
わかっています。ソロともラターも正常だ。よし、このまま着陸アプローチに入れる。
しかし、なぜなのか。
おう、機長、左後方を見てまえ。君は、信じられるか。
キャプテン、私も信じられません。この機体に並んで飛んでいる、青色の鎧のようなものが。これは、間違いなく人間です。
そうだな。ようし、着陸アプローチに入ってくれ。
ラシャ。
やった、機体が上昇したぞ。
当麻は気流を操ったのだ。あれは、本当の天空の鎧の力なのだ。
空を守り、空を翔る、天空の当麻。
すごい、当麻こそ、真の天空の戦士だ。
実際のところ、俺は驚いている。まさか、自分が空に浮き上がることができるとは思っていなかったからだ。しかし天空の鎧は、空気の流れを操り、その気流に乗って空を翔けた。地上で戦うことよりも、本当はこうして空から地上を眺め、人々を守るのがこの鎧本来の役目なのかもしれない。俺にはそう思える。そして、どこまでも続く、空と大地の狭間で、俺は俺のなすべきことをさどったきがした。常に正しき公平な目を持ってすべてを見守ること、自らの視線を雲のように天高くおくこと。それは嘗て、迦雄須が俺に残したこと。雲を射る、そのことと同じではないのかと。ゆっくりと降りていく俺の視界に、四人の仲間の姿が見える。笑顔で手を振っている、あの四人こそ、俺は始めて仲間になった、かけがいがないともだ。


 
無名氏 @ 2005-09-08 01:09

たかが出迎えくらいに、何も皆がついて来なくたって大丈夫だったんだぜ。
成田に関西人のお前一人では、不安ではないか。
そういうお前は東北じゃないか。飛行機なんて見たことあるのか。
失敬な。立派な空港くらいいくらでもある。
それは知らなかった。征士を見てると、かごか、早馬しか知らないんじゃないかと思ってしまうんでね。
残念ながらそう言った風情のあるものは、なくなって久しい。
それは寂しいことで。
当麻君。
あ、あれが。
だから言ったろう、かなり変わってるぞって。
確かに、あれが、母親には見えんな。
あれで悪かったね。
御免ね、なんてトラブルなんてらしく、少し飛行機が遅れちゃって。
ああ、そうなの。
珍しいな、当麻君が迎えに来てくれるなんて。
ちょうど、こっちに来てただけだよ。
でもうれしい。あら。
はじめまして。
こちらこそ。
友達だ。
伊達征士です。
うそみたい。
は。
だって、当麻君に聞いてたより、ずっとかっこいいんだもん。
それはどうも。当麻、貴様人のことをなんと言ったんだ。
お袋。
ねえ、伊達君でも持てるんでしょう。
ええ、一応。
うれしいな、当麻君の友達が、女ハンサムの少年で。
お袋ね。俺だって、友達が褒められるのがそれは悪い気がしないよ。だけどね。
そうだ当麻君。今度、あなたがお世話になってるっていう、他の方たちにもご挨拶しなくちゃね。
皆、あちらのロビーまで来ています。
おい、うれしい。楽しみだわ。
いいよ、お袋。子供じゃあるまいし、母親が挨拶なんて。
何よ、いいじゃない。あたしが会いたいんだから、当麻君だけが独り占めなんて許せないわ。
ねえ、それよりどうだったの、ニューヨークとロスは。
何時行ってもすごいわ。あのパワーは、日本人にはどうやって出せないな。これであたしは、日本では味わわないよね。これからの人間は、国際感覚と十分身につけていかなきゃだめよね。ちょっと待ってて。しゃり電話してくるから。
なるほど。確かにお前の言うとおりだな。変わってる。
だろう。
俺は当麻、天空の鎧を預かる鎧戦士、羽柴当麻。人は俺を生きるコンピューターとか、天才だとかいう。ほんの少し、他の子供より頭の回転が早かった俺は、いつも特別な少年として、扱われてきたようだ。確かに俺の育った環境は、えいきんてきな家庭環境ではない。父は科学者だし、母はあれでも国際ジャーナリスト。知的環境といえないことではない。しかし、どっちらも家にいることはめったにし、たまの、一家団欒の会話も、世界の再選誕生後の交換ばかりだった。兄弟もなかったからか、俺は確かにあまり子供らしい興味とかも持っていなかった。でも俺にはそれが特殊だという実感がない。両親との会話が結構楽しかったし、一人でいる時間も、自分のやりたいことをやって自由に依存した。だけど周りにとっては、やはり俺は特殊なこともだったようだ。それは年不相合な知識を持ち、勉強が大好きな特別な少年なのだ。そして、俺自身も無意識にそれが当たり前だと思えていたかもしれない。それに気がついたのは、この四人の仲間に出会ったからだった。なぜなら俺にとって、仲間という存在は、初めての経験だったからだ。自分が仲間の中でどう振舞ったらいいのか、どうやったら友達らしくできるのか、俺には皆目見当はつけなかった。そしてその迷いは、つまらない摩擦になって現れた。それは新宿の阿羅醐城を倒し、戦いの疲れを癒すための、共同生活が始まって間もないのころのことだった。


 
無名氏 @ 2005-09-06 23:17

VOLUME・1 それからの戦士達
TRACK 1…それからの戦士達(SERIOUS VERSION)
01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
TRACK 2…それからの戦士達(GAG VERSION)
1
TRACK 3…烈火のがんばれコール
1
TRACK 4…天空のおはようコール
1
TRACK 5…金剛のおやすみコール
1
TRACK 6…迦遊羅の早朝必殺技教室
1
TRACK 7…阿羅醐の時報
1
TRACK 8…フリートーク
1
TRACK 9…NG FIVE CM
1

VOLUME・2 SPECIAL VERSION
TRACK 1…スペシャルサービスバージョン
1
TRACK 2…昼メロバージョン
1
TRACK 3…遼の朝食
1
TRACK 4…サスペンスバージョン
1
TRACK 5…伸の昼食
1
TRACK 6…スポ根バージョン
1
TRACK 7…征士の夕食
1
TRACK 8…ミステリーバージョン
1  2  3
TRACK 9…秀の夜食
1
TRACK10…フリートーク
1
TRACK11…水滸のごめんねコール
1
TRACK12…光輪のおめでとうコール
1

VOLUME・3 そして、五人
TRACK 1…そして、五人(NEW SERIOUS VERSION)
01  02  03  04  05  06  07  08  09  10
11  12  13  14  15  16  17  18
TRACK 2…正義漢の裏側(NEW GAG VERSION)
1
TRACK 3…中華三千年の味
1
TRACK 4…さわやかな少年
1
TRACK 5…究極のダイエット
1
TRACK 6…実家に帰らせていただきます!!
1
TRACK 7…フリートーク
1
TRACK 8…サムライトルーパーのナンパコール
1  2


 
無名氏 @ 2005-09-06 22:11

あ、今日も雨か。
お、伸じゃないか。そんなところで何してんだ。鮪のように横になっちゃって。そのことは、人に示すなよ。
ちょっと、おなかが痛くて。
腹。なんだ、食いすぎか。
秀じゃあるまいし。
何だと。俺だってな、食いすぎ以外の理由で、腹痛起こすことがあるんだぞ。飲みすぎとか、寝冷えとか。
いた。
おい、伸、どうしたんだ。
昼メロバージョン
おい、皆、伸が、伸が倒れたって。本当なのか秀。
ああ、本当だ。
いったいどうして。
落ち着け、遼。
落ち着けなんか要られるか。
遼。
伸が倒れたなんて。俺、伸が具合悪いのを全然気がつかなくて。
遼。俺たちが心配なんだ。とにかく座れ。
すまない当麻。俺、びっくりしてどうしていいか分からなくて。
俺のほうこそ、逃ったりして悪かった。
しかし、いきなりどうしたというのか。昨日までがなんともなくはずだが。
そうだよ。昨日は庭で俺に望日を教えてくれたんだぜ、おまけに、今朝だって一緒に飯食ってたし。
ほとんど手はつけてなかったけどな。
そういえばそうだな。
伸は一度だって俺たちに、痛い、疲れた、もう嫌だ。この言葉を言ったことはないだろう。あいつは大丈夫そうにしたからといって本当にそうとは限らん。
あいつ、水臭いよ。俺たちは仲間じゃないか。
医者、医者は。
今診察中だ。
しかし、焼けに長いな。ただの診察なら、そろそろ終わってもいいはずだろう。
おい、当麻、伸の奴、何か重い病気じゃないだよな。な。
分からん。
こんなことにばっかりまじいなんかよ。
とにかく、伸が倒れたことが事実だ。俺たちにはどうしようもない。
伸。
それより、俺たちに責任がなかったか考えるべきだな。
私たちの、責任。
そう。例えば、伸に迷惑かけたとか、ショックを与えたとか、ああ見えても神経の細い奴なのかもしれない。何せ気配りのA型だからな。
俺のせいだ。
それなら、遼だけではないだろう。
例えば、伸は唯一の高校生だろう。
え、本当か。
高校生には、中学生の俺たちには分からない何か大切な事情があったのかもしれん。俺たちは所詮義務教育、何とかなるかもしれないが、伸は確実に留年。
俺、伸からそんな話聞いてないぞ。
あいつは人に心配をかけることを死ぬほど嫌がるからな。
そんな。それじゃ、俺たちは何のための仲間なんだ。俺は不甲斐無いばっかりに、皆に迷惑をかけてばかりで。俺は心配しちゃ行けないのか。
お、おれだって伸にはいっぱい迷惑かけちまったしよ。つい、憎まれ口叩いちまったし、あいつの陰険口調が我慢できなくて、喧嘩口にもなっちまったし。
そんなことじゃあの鉄の心臓は参らんだろう。
お前今さっき伸は神経が細いって言ったじゃないか。
かもしれないといったんだ。
だから国語の点数がいい奴が嫌いなんだよ。
例えば、環境の激変。
環境。どういう意味だ。
例えば、妖邪との戦いで、俺たちはただの中学生だった。なのに、高校生である伸、この僕は単位が取れなくても戦いに出なければならなかった。
どれが僕だだれか。
山口県の田舎で、ひっそり畑でも作ってプチトマトでも栽培するのが僕の夢だったのに。
伸の家には畑なんかないと言っていたぞ。
家にはかわいい犬や猫や鳶や雉や猿やマングースやヤンバルクイナがいて。
なんてマングースやヤンバルクイナもいるんだ。
奥さんは山へ洗濯に。
何故山で洗濯できるのだ。
僕は川へ意地悪をしに。
そのようが伸らしいな。
そんな、そんな些細な夢までも奪い去った阿羅醐と愉快な仲間達。
当麻のほうがよっぽど愉快だ。
僕は、阿羅醐が憎い。
俺が悪いんだ。
いいい、いきなりなんだ。
俺が、俺が頼りないばっかりに、伸は実家に帰りたくても帰れなかったんだ。
あいつは帰りたかったら何があっても帰るぞ。
俺が、俺が不甲斐無いばっかりに。
皆に迷惑をかけてばかりで。
許さんぞ、秀。おジャクリがよぜ。
お。分かった。謝る、謝るよ。
伸に、伸にもしものことがあったら、俺は、俺は。
遼。お前だけのせいではない。
征士。
伸に迷惑をかけたのは私も同じ。家事そのほうだ、伸ができるのもいいことに、任せ切りにしたの私も同罪だ。
お、俺だって、今遼を怒らせじまったけど。
秀。
お、俺だって、伸と喧嘩ばかりとしよ。伸の大切に取ってうったチーズケーキ黙って食っちまったし、伸の本破っちまったのに黙ってたし、伸の部屋のベッド壊したのに知らん振りしてたし、伸がお握りように炊いた米全部きれい夜の中に食っちまったし、伸が横にいて隙に伸の言う犯す全部留守んだし。それからの。
違う。やっぱり俺のせいだ。
いや、私の。
いや、俺のせいだよ。
俺が悪いんだ。伸。
なんだい。
伸。
あれ。遼はどうしたんだい。涙いっぱい貯めちゃって。
伸。お前医者は。
とっくにお帰りになったよ。
お、お前、あんなに苦しんでたのに。
嫌だな、ただの盲腸だよ。で、今薬でしあがるからさして痛くはないんだけど、念のためにいい機会だし、来てもらうと思って。
妖邪との戦い。
畑のプチトマト。
川へ意地悪をしに。
皆、いったい何言ってるんだ。僕、ちゃんと当麻に伝えといたよ。盲腸みたいだけど、薬は利いて来たから心配するなって。
何。当麻。
お、ようやく雨が止んだようだな。
当麻。
さ、伸、盲腸取りに行こうか。